同志社60年会からのお知らせ

同窓会礼拝の話

2010-11-23

同窓会礼拝の話

20101120(土)
伊藤博子
 
コリントの信徒への手紙Ⅰ 1313節(新約聖書317頁)
 「それゆえ、信仰と、希望と、愛、この三つは、いつまでも残る。
 その中で最も大いなるものは、愛である。」
 
 高校宗教部主任の伊藤博子です。
卒業して25年たった皆さんと共に礼拝を持つことになるとは、思いがけないことですが、嬉しいことです。皆さんの学年は、私にとって初めての3年担任の学年でした。私は、今の皆さんと同じ年齢の時、洗礼を受け、クリスチャンになりました。
 
 このグレイスチャペルは、今年2010年の3月に出来ました。310日の卒業式、11日の終業式から使い、礼拝として使うようになったのは4月からです。
それではチャペルの無かった時に、礼拝はどうしていたかと思うでしょうが、
放送礼拝という形でやり続けていました。毎日一クラスを情報センターの2階の教室に呼び礼拝を行い、他のクラスには担任がつき、教室で放送を聴いていたのです。2008年度の2学期3学期と2009年度の1年間、あわせて1年7カ月の間、放送礼拝を、根性で、としか言いようがないですが、やり続けました。
これからの話は、今年の2月に卒業する3年生、今の大学1回生、に語った話を再現いたします。
 
「私が好きだった、けやき並木とチャペル」というお話をしたいと思います。
皆さんたち3年生と、今の2年生は、教職員とともに、工事・ひっこしで苦労した仲間のように思っています。今年の1年生と話した時に「僕らは前の校舎を知りません」と言われ、明らかに世代の違いを感じました。
 私は同志社高校の卒業生ですから、自分の原点として残っている風景は、前のKS館、柏心館、チャペルです。
教室の重い鉄の扉を開けると、ふきっさらしの外の廊下、しかもツバメの巣がありました。KSの間の広場のこんもりとした木、思いっきり岩倉祭の準備ができた教室を覚えているでしょう。でもこの話は1年生にはわからないのです。
 私はけやき並木が好きでした。現在、私はバスで通勤をしていますが、2年前までは叡電でした。岩倉駅から歩き、毎日、北からけやきの木を見て、ロータリーからチャペルの横を歩いて通っていました。しんどい朝も、けやきを見て綺麗な学校だなあと心を取り直し、体育科に向かって歩いて行きました。
 20089月、皆さんが2年生のとき、チャペルが壊された最初の日のことは
忘れられません。大きなカマキリのような機械が、ガーンと一撃を加え、屋根が壊されていきました。それを私は柏心館の会議室から見ていました。
「チャペルがこわれる」と涙がこぼれそうになりました。
その時、横に音楽の津田先生がおられて「そんなに感傷的になるなよなあ」と
言われたことを覚えています。
でも私にとっては、16歳の時からの思い出がチャペルにはあるのです。
 
 今日、帰りに北校地を見て下さい。もう工事のフェンスもとれて、建物がみんな見えます。チャペルの横のけやきは、数も少なくなり、枝も切られ、皆さんの覚えている森ではありません。
 
あと1ヶ月もすれば私には、新しいチャペルでの卒業式、みなさんの終業式の準備の忙しい日々が待っています。私は新しいチャペルに皆さんをなじませるという、宗教部主任として神様から与えられた仕事があります。だからこのような礼拝の話ができるのは今だけだという気がします。
 
 同志社高校の卒業生で永田紅さんという女性がいます。今30台半ばくらいで
しょうか。永田さんは、京大農学部に進学し「京大短歌会」に属し、現代歌人協会賞を受賞しました。短歌が好きな私は彼女の歌をよく読みます。
高校時代を歌ったこんな歌があります。
 
渡り廊下の歌
「塾のない午後 校内にとどまれば 渡り廊下は こんなに明るい」
理科館の歌
「水平のリーベ 日の射す理科館に 十六のわれら 淡く眠りき」
 
京都新聞に10年前、「町にうたえば」というコラムが載りました。京都のいろいろな名所を歌で紹介するコーナーでした。「同志社高等学校」という地名紹介で載った彼女の記事を紹介します。
 
「秋の陽にけやきの枝はあかるくて君と歩いてばかりいたころ」永田 紅
 
(新聞記事)
 
 
 今日の私の話の題は「新旧チャペルを繋ぐもの」です。
体育館以外、全く変わってしまった、同志社高校の「新旧」を繋ぐものは何でしょうか?この題を決めてから、繋ぐものとは何であろうかと考え続けています。
 
 実感的に毎日思うことは、グラウンドからの比叡山の美しい姿です。比叡山を見ながら過ごすことは変わりません。自由人である教員・生徒、やりたいことの出来た高校生活、それは変わらないと思います。
 一番の答えは、「岩倉が好きやった」という気持ちではないでしょうか。
同志社高校とは言わず、岩倉、と言ってしまうこと、その言葉には冬の寒さも春の桜もみな含まれ、夢中だったことをやっていた自分が含まれます。
 
 建物が変わったことを寂しがらず、新しい「岩倉」が生まれたのだと思って下さい。私がみなさんの先輩であるように、皆さんは今の生徒たちの先輩なのです。新しいチャペルで、旧いチャペルを思い出し、そして新旧チャペルを両方知っていることを喜びとしてください。
 皆さん御一人一人が、岩倉を愛することは変わらない、と思って下さったとしたら、それが「新旧チャペルを繋ぐもの」ではないかと私は考えます。
 
 
 
お祈りいたします。
健康を与えられ、この場に集いしことを感謝いたします。本日は卒業した兄弟姉妹たちと共に前のチャペルに思いをはせることができました。
同志社高校の長い歴史の中で、統合の年にホスト学年である兄弟姉妹たちは意味のある学年と信じます。兄弟姉妹たちのこれからの日々が希望に満ちたものでありますように、お守り下さい。
この祈りを主イエスキリストの御名により御前におささげします。アーメン

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